バレエを極めるには
ターンアウトの先にある”本物”~バレエの本当の難しさ~
●ターンアウトは脚が開ければ良いのではない、「使い方を学ぶレッスン」が必要です。
脚を正しく外旋しなければ繋がらない体幹の筋肉があり、ターンアウトで行うレッスンそのものが最も効果のある『体幹トレーニング』となるのです。
『バレエレッスンの真価は、ターンアウトすることでしか得られない筋肉とそれをコントロールする術を身につけることです。』
ターンアウト(アン・ドゥオール)はクラシックバレエにとって不可欠なものですが、脚の外旋の仕方などはよく議論されていても、実はその先のレッスンの進め方の方がもっと重要で、『そもそもなぜターンアウトが必要か』頭でも体でも納得できるようなレッスンでないとバレエの上達自体全く思うようにいかないでしょう。
なぜなら、皆ターンアウトに躍起になっていてもそれをどう活かすのか理解出来ていない、ターンアウトの本当の力が使えていないと思うからです。多くの場合、ターンアウトが動きづらい「デメリット」になってしまっているのではないでしょうか。
●『使えるターンアウト』とは、脚を外旋した方が都合が良い、メリットがあると『自分の体の中で実感できること』です。
『ターンアウトには様々な利点』がありますが、その利点を余すことなく活用した動きで構成されているのがバレエの技巧です。
「動きやすさ」のためのターンアウトであり、納得して意図的に操作できるようになれば「上手くいくこと」がたくさんあります。
そのための訓練が「様々な決まり事」を伴うバレエのレッスン法の本当の意味であり、外旋の力を上手く扱えるようになるまでの過程一つ一つが長い年月はかかりますがとても重要で、それが正しいメソッドによる教育法の確立の基盤となっています。
脚の外旋力をそのまま動力として身体に取り込み、使いこなすためのレッスンをいかに行うかが「最も重要な課題」なのです。
それが日々のたゆまぬ『基礎訓練』の目的であり、どんなに地味であっても時間がかかっても、『非常に大切なバレエ人生を左右するレッスンです。』
つまり、ターンアウト自体に悩んでいるのではバレエの入口にも立っていないのであり、ターンアウト出来てから先の訓練の方がもっと大変で長い修練の道が待っているのです。
脚を外旋したことによって『普通の体とは全く違う筋肉ライン』で立たなくてはならなくなるため、体の支え方を一から作り直す作業が必要になって来ます。
しかし、それが本物のバレエの上達と将来に繋がるとても大切な過程となり、バレエの身体と動きを無駄なく作る本当に意義あるレッスンになることを是非ともお伝えしたいのです。
●バレエに必要な筋肉は本当に普通と違いすぎて育てるのが困難なのですが、ターンアウトした脚の上にきちんと立とうとすること自体が全身の筋肉の調整力を養い、強化まで兼ねてしまえるので、脚だけでなく上半身のバレエに必要な筋肉のトレーニングにもなり、更にポーズの形や動き方まで一気に覚えることが出来る、とても効率の良いレッスンが可能になるのです。
付け根からきちんとターンアウトするのは脚の筋肉だけでは不可能で、上半身の筋肉も変化させなくてはやりきれない動作です。
骨盤周りの筋肉は当然のこと腹筋ともセットの作業であり、骨盤は完全に水平でないと外旋しきれず、その腰の上に肋骨もきちんとセットされないと完全に横を向いた脚の上にきちんと立つことは出来ません。
それは『普通の骨格の位置とは全く違う』ので、全身の骨格を正しくセットする方法を覚え、保つ筋力も付けないといけないのです。
脚のみならず全身の筋肉、特に発達が難しいインナーマッスルが深く関係するので、『難しさの質』が格段に違います。
しかし、それを辛抱強く乗り越え、しっかり立てるようになった時には、全身の『バレエ筋』が自然と強化されていくよう巧妙に仕組まれています。それが本当の意味での『最も効果的なレッスン』と言えます。
●個別のトレーニングを必要としないばかりか、それよりもっと強靭で思うがままになる『賢い筋力』が身に付きます。
むやみな筋トレやストレッチでは決して得られない、『知恵』の結集である「コントロール力」を持った身体が作られるのです。
しかし、それは付け根からきちんとターンアウトした場合であり、膝や足首を捻って足先だけで開いたように見せかけた『間違ったターンアウト』では腿や上体の筋肉の状態は変わらず、上半身の筋肉の強さや正確性、調整力は必要にならず全く育てられません。
根元から回さない脚は普通に前を向いた状態と大して変わらず、特別に上体を強化させコントロールする必要がないからです。
その状態でいくらレッスンしてもバレエに必要な筋肉トレーニングに繋がらず、それでテクニックが出来たとしてもそれは本当に付け根から脚を回して完成させた技術とは全く比較になりません。
同じ回転や跳躍でも、不完全なターンアウトときちんとしたターンアウトで行うのでは、『完成に至るまでの過程と難しさが何倍も違う』のです。外に向いた脚に本当に慣れて、上手く操作出来るようになるのを辛抱強く待たなくては完成しない技能が『本物』です。
●そんな難しいターンアウトが、なぜ必要なのでしょうか?
それは、ターンアウトを生み出す筋力と最大限に広がった可動域を利用することで、力みや反動とは全く違うエネルギーが活用できるようになり、より自然で流れるような美しい動きと最大限の可動域からのダイナミックな動きを生み出すことが可能になるからです。
本来、バレエの動きは全てターンアウトの力で成り立っているものです。
そして『付け根から正しくターンアウトしないと絶対に育たない筋肉』があり、それが美しく正確に踊るための最も重要な筋肉になります。太く発達しない性質の筋肉で、体を引き締める効果も絶大にあり、体型を美しく整えるための重要な筋肉でもあります。
しかし、その筋肉を育てるのには非常に厳格で慎重なレッスンが絶対に不可欠で、体の発達と理解力にも関わってくるので、適切な時期から本当にきちんとしたレッスンを日々積み重ねる以外にありません。
【脚を完全に外旋すればするほど、その状態でポーズを保ったりきちんと動くことは非常に困難であり、初歩の段階や低年齢でバレエらしい技術が出来ることはあり得ないのがバレエの本当の難しさです】
股関節から完全なターンアウトをすると、当然支える足の面積がかなり狭くなり、その狭い幅の上にきちんと上体を乗せて保てなければたちまちヨレヨレになって倒れてしまうのが本当のターンアウトなのです。
つまり、本来身体を支えたり動く際に主動的に使われる筋肉が、本当に太腿を横に向けたターンアウトでは使えなくなってしまい、代わりとなって身体を支える筋肉を特別に強化しなくては動けるようにならないのですが、足先だけ横を向けた悪いターンアウトや殆ど開いていない脚だと普段使い慣れた筋肉で動けてしまうこと、そしてそれが更に前腿やふくらはぎなど肥大しやすい筋肉を発達させる原因になり、逆に『バレエに向かない身体』になってしまうといった具合です。
ですから本当のバレエは先ずは付け根からのきちんとしたターンアウトを経験しないと始まらないといえるのです。
そしてその先の訓練こそが一番難しく長い歳月を要するものになって来ます。
身体が完成する過程によって何を行うべきか詳細に決められているのが本来の厳格なメソッドによるレッスンですが、もし基礎から段階的に学ばずいきなり難しいテクニックをする『飛び級』をしてしまうと上手くいかないのも当然であり、もし「出来ている」とするならばそれは逆にターンアウトが未熟な故の『間違った技術』になってしまいます。
ターンアウトの悩みは、骨格条件よりレッスンのやり方、質にも大きな問題があり、厳格なポジションを身に付ける前にテクニックに走ってしまうことで、ターンアウトを保つ力を養う機会を失わせているというのが実情かもしれません。
また、ターンアウトが不正確のまま踊っていると逆にターンアウトを邪魔する筋肉が発達してしまい、余計にターンアウトが出来なくなるという悪循環にも陥ってしまいます。
●『本物』といっているバレエの技術は、『ターンアウトによって得られた非常に効率の良いエネルギー』を無駄なく利用して操っているもので、そこには必ず『自然の法則』が理屈抜きに働いています。
だからこそ、こうでなくてはというルールや形が出来上がっていったものであり、決まり事には深い意味があるのです。
つまり、最初からターンアウトありきの技術であり、体に入ってしまえば決して不自然で奇異なものではなく、体の可動域を最大限に広げ、バレエの法則の中で体を自在に操れる大きな原動力になります。
それを称して理にかなったもの、力学的に実証可能な優れものといっている訳です。
必要最小限の力で最大のエネルギーを取り込んで動くことが可能になるのですが、そのために必要な「力学的法則」である「決まり事」を覚え、きちんと段階を踏んだレッスンで鍛え上げないとなかなか使えるようにはなりません。
【ターンアウトの確立なしにバレエの決まり事を当てはめるのは、逆に不自然で無理矢理な力を必要とします】
形を覚えたりテクニックの練習をする以前にターンアウトを完全にしなければ、おかしな体の使い方になるだけです。
●そもそも正しいターンアウトが出来ていない人は体のコントロールの仕方が全く違ってしまい、教師の注意の意味が頭でも体でも理解することが難しくなってしまいます。
教師が求めるコントロールが体に見つからないため、頭での理解も得にくくなり、教師との相互理解による共感が得られなくなってしまうのです。
教師の言うことが理解出来ない、生徒はなかなか言う通りにならない、とお互いにジレンマを抱える要因ともなってしまいます。
爪先をどのくらい開くかとか形だけの問題ではなく、『付け根から外旋したことによってしか体得出来ないコントロール』を自分の体に持つことが最も重要なのです。
●基礎レッスンはポジションを正確にすることの上に更に困難な技術を積み重ねるために絶対に不可欠ですが、その完成途中にある体では難しい技術を行うことはどんなに個人差があろうとも殆ど不可能です。
もし出来ているとするならば、それは間違ったやり方、違った筋肉の使い方だからと言えます。
【更に、成長期で体が変わったりする中では出来ないことがあるのは極々当たり前のことです】
骨格が完成しないということは筋肉もまだ成長途中にあります。まだ不完全な状態の骨や筋肉で重心も定まらず体は日々変化しています。
●なぜ、まだ体が完成しないうちに焦って技術を習得しない方が良いのか、体が未完成なうちに高度なテクニックに挑戦することがなぜいけないことなのか、もっと本気で理解しなくてはなりません。
ターンアウトに適応する力は体の成長と骨格、筋肉の力に深く関わり、決して単なる運動能力やセンスだけでは対応しきれない、人体の構造学が関わっているものです。
そして、最もよく議論される『ターンアウトの能力』についても、決して骨格だけの問題ではなく、『出来るようになるレッスン』が全くなされていない事実があり、レッスンの仕方によって全く結果が違うことを本当に理解して欲しいと願ってやみません。
●ターンアウトは脚が開ければ良いのではない、「使い方を学ぶレッスン」が必要です。
脚を正しく外旋しなければ繋がらない体幹の筋肉があり、ターンアウトで行うレッスンそのものが最も効果のある『体幹トレーニング』となるのです。
『バレエレッスンの真価は、ターンアウトすることでしか得られない筋肉とそれをコントロールする術を身につけることです。』
ターンアウト(アン・ドゥオール)はクラシックバレエにとって不可欠なものですが、脚の外旋の仕方などはよく議論されていても、実はその先のレッスンの進め方の方がもっと重要で、『そもそもなぜターンアウトが必要か』頭でも体でも納得できるようなレッスンでないとバレエの上達自体全く思うようにいかないでしょう。
なぜなら、皆ターンアウトに躍起になっていてもそれをどう活かすのか理解出来ていない、ターンアウトの本当の力が使えていないと思うからです。多くの場合、ターンアウトが動きづらい「デメリット」になってしまっているのではないでしょうか。
●『使えるターンアウト』とは、脚を外旋した方が都合が良い、メリットがあると『自分の体の中で実感できること』です。
『ターンアウトには様々な利点』がありますが、その利点を余すことなく活用した動きで構成されているのがバレエの技巧です。
「動きやすさ」のためのターンアウトであり、納得して意図的に操作できるようになれば「上手くいくこと」がたくさんあります。
そのための訓練が「様々な決まり事」を伴うバレエのレッスン法の本当の意味であり、外旋の力を上手く扱えるようになるまでの過程一つ一つが長い年月はかかりますがとても重要で、それが正しいメソッドによる教育法の確立の基盤となっています。
脚の外旋力をそのまま動力として身体に取り込み、使いこなすためのレッスンをいかに行うかが「最も重要な課題」なのです。
それが日々のたゆまぬ『基礎訓練』の目的であり、どんなに地味であっても時間がかかっても、『非常に大切なバレエ人生を左右するレッスンです。』
つまり、ターンアウト自体に悩んでいるのではバレエの入口にも立っていないのであり、ターンアウト出来てから先の訓練の方がもっと大変で長い修練の道が待っているのです。
脚を外旋したことによって『普通の体とは全く違う筋肉ライン』で立たなくてはならなくなるため、体の支え方を一から作り直す作業が必要になって来ます。
しかし、それが本物のバレエの上達と将来に繋がるとても大切な過程となり、バレエの身体と動きを無駄なく作る本当に意義あるレッスンになることを是非ともお伝えしたいのです。
●バレエに必要な筋肉は本当に普通と違いすぎて育てるのが困難なのですが、ターンアウトした脚の上にきちんと立とうとすること自体が全身の筋肉の調整力を養い、強化まで兼ねてしまえるので、脚だけでなく上半身のバレエに必要な筋肉のトレーニングにもなり、更にポーズの形や動き方まで一気に覚えることが出来る、とても効率の良いレッスンが可能になるのです。
付け根からきちんとターンアウトするのは脚の筋肉だけでは不可能で、上半身の筋肉も変化させなくてはやりきれない動作です。
骨盤周りの筋肉は当然のこと腹筋ともセットの作業であり、骨盤は完全に水平でないと外旋しきれず、その腰の上に肋骨もきちんとセットされないと完全に横を向いた脚の上にきちんと立つことは出来ません。
それは『普通の骨格の位置とは全く違う』ので、全身の骨格を正しくセットする方法を覚え、保つ筋力も付けないといけないのです。
脚のみならず全身の筋肉、特に発達が難しいインナーマッスルが深く関係するので、『難しさの質』が格段に違います。
しかし、それを辛抱強く乗り越え、しっかり立てるようになった時には、全身の『バレエ筋』が自然と強化されていくよう巧妙に仕組まれています。それが本当の意味での『最も効果的なレッスン』と言えます。
●個別のトレーニングを必要としないばかりか、それよりもっと強靭で思うがままになる『賢い筋力』が身に付きます。
むやみな筋トレやストレッチでは決して得られない、『知恵』の結集である「コントロール力」を持った身体が作られるのです。
しかし、それは付け根からきちんとターンアウトした場合であり、膝や足首を捻って足先だけで開いたように見せかけた『間違ったターンアウト』では腿や上体の筋肉の状態は変わらず、上半身の筋肉の強さや正確性、調整力は必要にならず全く育てられません。
根元から回さない脚は普通に前を向いた状態と大して変わらず、特別に上体を強化させコントロールする必要がないからです。
その状態でいくらレッスンしてもバレエに必要な筋肉トレーニングに繋がらず、それでテクニックが出来たとしてもそれは本当に付け根から脚を回して完成させた技術とは全く比較になりません。
同じ回転や跳躍でも、不完全なターンアウトときちんとしたターンアウトで行うのでは、『完成に至るまでの過程と難しさが何倍も違う』のです。外に向いた脚に本当に慣れて、上手く操作出来るようになるのを辛抱強く待たなくては完成しない技能が『本物』です。
●そんな難しいターンアウトが、なぜ必要なのでしょうか?
それは、ターンアウトを生み出す筋力と最大限に広がった可動域を利用することで、力みや反動とは全く違うエネルギーが活用できるようになり、より自然で流れるような美しい動きと最大限の可動域からのダイナミックな動きを生み出すことが可能になるからです。
本来、バレエの動きは全てターンアウトの力で成り立っているものです。
そして『付け根から正しくターンアウトしないと絶対に育たない筋肉』があり、それが美しく正確に踊るための最も重要な筋肉になります。太く発達しない性質の筋肉で、体を引き締める効果も絶大にあり、体型を美しく整えるための重要な筋肉でもあります。
しかし、その筋肉を育てるのには非常に厳格で慎重なレッスンが絶対に不可欠で、体の発達と理解力にも関わってくるので、適切な時期から本当にきちんとしたレッスンを日々積み重ねる以外にありません。
【脚を完全に外旋すればするほど、その状態でポーズを保ったりきちんと動くことは非常に困難であり、初歩の段階や低年齢でバレエらしい技術が出来ることはあり得ないのがバレエの本当の難しさです】
股関節から完全なターンアウトをすると、当然支える足の面積がかなり狭くなり、その狭い幅の上にきちんと上体を乗せて保てなければたちまちヨレヨレになって倒れてしまうのが本当のターンアウトなのです。
つまり、本来身体を支えたり動く際に主動的に使われる筋肉が、本当に太腿を横に向けたターンアウトでは使えなくなってしまい、代わりとなって身体を支える筋肉を特別に強化しなくては動けるようにならないのですが、足先だけ横を向けた悪いターンアウトや殆ど開いていない脚だと普段使い慣れた筋肉で動けてしまうこと、そしてそれが更に前腿やふくらはぎなど肥大しやすい筋肉を発達させる原因になり、逆に『バレエに向かない身体』になってしまうといった具合です。
ですから本当のバレエは先ずは付け根からのきちんとしたターンアウトを経験しないと始まらないといえるのです。
そしてその先の訓練こそが一番難しく長い歳月を要するものになって来ます。
身体が完成する過程によって何を行うべきか詳細に決められているのが本来の厳格なメソッドによるレッスンですが、もし基礎から段階的に学ばずいきなり難しいテクニックをする『飛び級』をしてしまうと上手くいかないのも当然であり、もし「出来ている」とするならばそれは逆にターンアウトが未熟な故の『間違った技術』になってしまいます。
ターンアウトの悩みは、骨格条件よりレッスンのやり方、質にも大きな問題があり、厳格なポジションを身に付ける前にテクニックに走ってしまうことで、ターンアウトを保つ力を養う機会を失わせているというのが実情かもしれません。
また、ターンアウトが不正確のまま踊っていると逆にターンアウトを邪魔する筋肉が発達してしまい、余計にターンアウトが出来なくなるという悪循環にも陥ってしまいます。
●『本物』といっているバレエの技術は、『ターンアウトによって得られた非常に効率の良いエネルギー』を無駄なく利用して操っているもので、そこには必ず『自然の法則』が理屈抜きに働いています。
だからこそ、こうでなくてはというルールや形が出来上がっていったものであり、決まり事には深い意味があるのです。
つまり、最初からターンアウトありきの技術であり、体に入ってしまえば決して不自然で奇異なものではなく、体の可動域を最大限に広げ、バレエの法則の中で体を自在に操れる大きな原動力になります。
それを称して理にかなったもの、力学的に実証可能な優れものといっている訳です。
必要最小限の力で最大のエネルギーを取り込んで動くことが可能になるのですが、そのために必要な「力学的法則」である「決まり事」を覚え、きちんと段階を踏んだレッスンで鍛え上げないとなかなか使えるようにはなりません。
【ターンアウトの確立なしにバレエの決まり事を当てはめるのは、逆に不自然で無理矢理な力を必要とします】
形を覚えたりテクニックの練習をする以前にターンアウトを完全にしなければ、おかしな体の使い方になるだけです。
●そもそも正しいターンアウトが出来ていない人は体のコントロールの仕方が全く違ってしまい、教師の注意の意味が頭でも体でも理解することが難しくなってしまいます。
教師が求めるコントロールが体に見つからないため、頭での理解も得にくくなり、教師との相互理解による共感が得られなくなってしまうのです。
教師の言うことが理解出来ない、生徒はなかなか言う通りにならない、とお互いにジレンマを抱える要因ともなってしまいます。
爪先をどのくらい開くかとか形だけの問題ではなく、『付け根から外旋したことによってしか体得出来ないコントロール』を自分の体に持つことが最も重要なのです。
●基礎レッスンはポジションを正確にすることの上に更に困難な技術を積み重ねるために絶対に不可欠ですが、その完成途中にある体では難しい技術を行うことはどんなに個人差があろうとも殆ど不可能です。
もし出来ているとするならば、それは間違ったやり方、違った筋肉の使い方だからと言えます。
【更に、成長期で体が変わったりする中では出来ないことがあるのは極々当たり前のことです】
骨格が完成しないということは筋肉もまだ成長途中にあります。まだ不完全な状態の骨や筋肉で重心も定まらず体は日々変化しています。
●なぜ、まだ体が完成しないうちに焦って技術を習得しない方が良いのか、体が未完成なうちに高度なテクニックに挑戦することがなぜいけないことなのか、もっと本気で理解しなくてはなりません。
ターンアウトに適応する力は体の成長と骨格、筋肉の力に深く関わり、決して単なる運動能力やセンスだけでは対応しきれない、人体の構造学が関わっているものです。
そして、最もよく議論される『ターンアウトの能力』についても、決して骨格だけの問題ではなく、『出来るようになるレッスン』が全くなされていない事実があり、レッスンの仕方によって全く結果が違うことを本当に理解して欲しいと願ってやみません。