バレエのレッスンで一番大切なことは何か、 バレエを極めるには...
2019.09.24
Vaganova
Method
「メソッド」とは、「方法、やり方」のことですが、バレエのメソッドとは「教授法、指導法」であり、レッスンのやり方、トレーニングの方法を厳格に構築したダンサーの『教育システム』のことをいいます。
しかし、よく誤解されているのは、単に踊り方やその違いを「メソッドの違い」のように思っていたり、そもそも教授法はバレエ指導者の教育課程でしか習得できないもの、という認識に欠けているかもしれません。
確かに、メソッドの違いは、表面上は「踊り方の違い」に現れますが、バレエダンサーの「育て方の違い」であり、バレエに対する根本的な考え方、訓練の仕方、方法論の違いにあります。
その考え方、教育法の違いのために、体の使い方、踊り方、体つきにさえ様々な相違が生まれてくることになります。
■ワガノワメソッドの特徴は、それまで重視していなかった人体の機能に着目し、他とは全く異なる考え・手段で、能力を最大に高め、特別な身体コントロール技能を養う目的で作られ、本当に身体や動きが驚くほど変わる科学的根拠を持ちます。
厳格に決められたメソッドの法則は、バレエに必要な技能だけでなく、肉体を美しく磨き上げる非常に優れた効果を秘めています。
人間の身体が本来持っている機能、自然な動きの反応を最大限に生かし高めることで、最高のパフォーマンスを生み出せるように作られた高度な教授法です。
特に「背中の使い方」に大きな特徴があり、強靭さと優れた安定性、ダイナミックで豊かな動きを生み出す、非常に重要な機能を果たしています。
しかし、ワガノワメソッドが持つ科学理論があまりに高度な指導法がゆえに、その素晴らしさを伝えようとしてもなかなか正しく伝わらなかったり、本質が理解されず間違ったイメージを持たれがちです。
ワガノワメソッドは、そのプログラムを正しく実行できる能力がなければ最高の成果は得られません。
メソッドに秘められた最高の技能を生み出す「科学的な力」が発揮できないからです。
ですから、誰でも習える日本の環境ではなかなかメソッドの良さや価値が理解されにくいのです。
しかし、何を目的にその動きをするのか『本質』が理解できていれば、それぞれの持てる能力の中で同様の効果を得ることは充分に可能であると考えます。
では、『ワガノワメソッドの本質』とは一体何なのでしょうか?
■クラシックバレエの発展、完成に大きく貢献したワガノワメソッドは、最終的に高度なテクニックとなる動きを成長に合わせて段階的に順を追って学び、一つ一つを正確に出来るようになってから次の段階に進めるよう厳密に組み立てられた、ロシアバレエの教授法です。
形や動きをそのまま覚えるということではなく、それが「何に繋がるのかすぐにはわからない練習」に分解されているにも関わらず、後に学ぶテクニックの土台としての体の使い方が習得できるように考え抜かれた、非常に卓越したプログラムです。
入学から卒業まで、どのような訓練をどういう順序でいかに行うか、各学年ごとに細かく練られ定められた授業計画があり、課題に沿って計画的に組み立てられたカリキュラムに基づくレッスンが行われます。
では、その課題や授業計画はどのようにして生まれ、何を基準にプログラムされているのでしょうか?
「難しいテクニックの土台」は、すでに習い始めの初期段階から学び始めていて、最初こそ本当に肝心です。
どんな高度な回転技や跳躍なども、それらをマスターしていく過程は重要な「基礎レッスン」にあり、「バー・レッスン」から巧みに組み込まれ、プログラムされています。
その組み込まれ方があまりに見事で、テクニックや芸術性を学んでいく過程のプログラムこそ、ワガノワメソッドの「最大の強み」になっています。
メソッドの凄さはまさにそこにありますが、なぜそのような教育法が出来たのか、その理由の一つは「ターンアウト」(アン・ドゥオール)にあります。
普通の状態の時にはあまり機能させていない筋肉や特別に強くなくても構わない筋肉が、ターンアウトした状態ではどうしても必要になり、特別に強靭に鍛えなくてはならないものになります。
しかし、ターンアウトに適応できる筋肉の発育や鍛え方は「人間としての身体の完成」に関わり、年齢による成長とターンアウトで必要になる筋肉の仕上がり具合いによって、『何をすべきか』『何が出来るのか』が決められているのであり、『やらせるべき時期とプログラム』が研究し尽された結果が厳格な教授法となったのです。
『なぜ、その順序で、なぜそのように行うのか』
『なぜ色々な決まり事があるのか』『なぜそれを守らなければいけないのか』
メソッドの目的は、バレエに生かす身体機能を分析して最大に高め、自然な動きの正体、「力の作用」を研究した上で生まれた科学的な訓練です。
ワガノワメソッドが最も重視しているのは人体の「調整機能」と「生体力学」の分析に基づく訓練法です。
どのような身体の使い方であれば「より安定し滑らかで大きな動きが実現するか」考え抜かれて生まれたものです。
それがいかに機能的で科学的にも理にかなったものであるか、最新の科学と運動学に照らし合わせても驚愕の事実しかありません。
体のメカニズムに沿った動きの解明、上体の機能と全身の筋肉の働きを最大限に活かしたバレエ・テクニックと、その訓練法の見事な構築は、それまでのバレエと訓練のあり方を一変させました。
身体の柱である脊柱を安定させると共に、優れた背筋機能は「腕の動き」を大きく豊かにし、その「力」を体幹に伝えてあらゆる動きの「原動力」に変えることが出来るのです。
どんなに強靭な脚があろうとも、上体がグラグラ、ヘロヘロでは何も出来ません。
体幹の強さとコントロールがあって初めて、脚も自在に動かせるのです。
上体の正しい姿勢とコアの強さはしっかりとした安定性を生み、軸を見つけ、身体を意のままに操る能力を身につけるための最も大切なものです。
身体を自由に動かすためには上体を安定させ、どのような動きでもバランスを保たなくてはなりません。
そして、「上体や腕」は身体を操る上でとても重要な役割を担っているのです。
腕や頭、上体の動きは身体の重要なコントロールと共に、叙情性豊かな表現を生み出します。
舞踊芸術にとっては欠くことの出来ない重要なものです。
身体全体を使って踊ること、それぞれの動きを調和させること、そしてすべての動きを『意識的』 に行うことが大切と教えられています。
その、『意識的』といわれることの「本当の意味」がわかったのは、人体や筋肉についての深い理解と、その働きや機能を高めるための理屈が、体の感覚だけでなく運動理論的にもわかった時、「なるほど!本当にすごいな!」と感動しました。
ワガノワメソッドにおける上体や腕、頭の付け方などは決して単なる装飾的なものではなく、身体の機能の科学的分析をもとに考え出された、とても理にかなったものなのです。
ターンアウトの優れた機能に、上体の機能を融合させることで、この上ない性能を持つ極みともいえる動きが生み出されました。
それらは、全て『人体の動きの必然性』から生まれたものであり、解剖学や運動力学などの科学的根拠に基づいているため、表面の形だけを真似ても『偽り』でしかありません。
決して見よう見まねでは完成しない、深い真理が存在します。
そして、それこそが 『身体の表情』 を豊かにし、決して表面的ではない、身体の奥底から溢れ出す優美で感動的な感情表現と、揺るぎない技巧、そして圧倒的な存在感をも生み出す、ワガノワメソッドの最大の特徴といえるのです。
ワガノワメソッドでバレエを学ぶことの最大のメリットは、一つには、優れたトレーニング理論によって「確実に身体が変わること」です。
バレエの美しさは、何より、鍛え上げられ、磨き上げられた「身体」の素晴らしさ、肉体そのものの魅力です。
物凄い強さ、筋力が必要であったとしても、身体が美しくあるよう磨くためには、筋肉を鍛える方法や目的を間違えてはなりません。
ワガノワメソッドの本質は、「きれいになって当たり前」の理論が秘められた、バレエの体を美しく作るトレーニング効果がすべてに認められ、優れていることです。
それは「単なる形に見えるもの」の中に物凄い効果的なトレーニング理論が潜んでいることがわかっています。
基礎の育て方の「解剖学的な正しさ」は、筋肉そして最近ようやく解明されてきた『筋膜』(ファシア)への見事なまでのアプローチでもあります。
そして、優れた力学的理論により、無駄な力を使わず「最小限の力で最大の効果を得る」原理を身体で学んで習得していくのです。
それによって、無駄な筋肉・筋力も必要なく、効率的に身体を使ってテクニックや表現に活かすことができます。
理解して意識的に行えば「上手くなって当たり前」の理論ともいえます。
その原則を基礎の体作りから高度なテクニックまで最大限に生かし、優れたダンサーを生み出している素晴らしいメソッドなのです。
■日本の教室でワガノワメソッドを活かすには?⇒ワガノワメソッドの本質とは?~日本の教室でワガノワの真価を発揮するために
「メソッド」とは、「方法、やり方」のことですが、バレエのメソッドとは「教授法、指導法」であり、レッスンのやり方、トレーニングの方法を厳格に構築したダンサーの『教育システム』のことをいいます。
しかし、よく誤解されているのは、単に踊り方やその違いを「メソッドの違い」のように思っていたり、そもそも教授法はバレエ指導者の教育課程でしか習得できないもの、という認識に欠けているかもしれません。
確かに、メソッドの違いは、表面上は「踊り方の違い」に現れますが、バレエダンサーの「育て方の違い」であり、バレエに対する根本的な考え方、訓練の仕方、方法論の違いにあります。
その考え方、教育法の違いのために、体の使い方、踊り方、体つきにさえ様々な相違が生まれてくることになります。
■ワガノワメソッドの特徴は、それまで重視していなかった人体の機能に着目し、他とは全く異なる考え・手段で、能力を最大に高め、特別な身体コントロール技能を養う目的で作られ、本当に身体や動きが驚くほど変わる科学的根拠を持ちます。
厳格に決められたメソッドの法則は、バレエに必要な技能だけでなく、肉体を美しく磨き上げる非常に優れた効果を秘めています。
人間の身体が本来持っている機能、自然な動きの反応を最大限に生かし高めることで、最高のパフォーマンスを生み出せるように作られた高度な教授法です。
特に「背中の使い方」に大きな特徴があり、強靭さと優れた安定性、ダイナミックで豊かな動きを生み出す、非常に重要な機能を果たしています。
しかし、ワガノワメソッドが持つ理論があまりに高度な指導法がゆえに、その素晴らしさを伝えようとしてもなかなか正しく伝わらなかったり、本質が理解されず間違ったイメージを持たれがちです。
ワガノワメソッドは、そのプログラムを正しく実行できる能力がなければ最高の成果は得られません。
メソッドに秘められた最高の技能を生み出す「科学的な力」が発揮できないからです。
ですから、誰でも習える日本の環境ではなかなかメソッドの良さや価値が理解されにくいのです。
しかし、何を目的にその動きをするのか『本質』が理解できていれば、それぞれの持てる能力の中で同様の効果を得ることは充分に可能であると考えます。
では、『ワガノワメソッドの本質』とは一体何なのでしょうか?
■クラシックバレエの発展、完成に大きく貢献したワガノワメソッドは、最終的に高度なテクニックとなる動きを成長に合わせて段階的に順を追って学び、一つ一つを正確に出来るようになってから次の段階に進めるよう厳密に組み立てられた、ロシアバレエの教授法です。
形や動きをそのまま覚えるということではなく、それが「何に繋がるのかすぐにはわからない練習」に分解されているにも関わらず、後に学ぶテクニックの土台としての体の使い方が習得できるように考え抜かれた、非常に卓越したプログラムです。
入学から卒業まで、どのような訓練をどういう順序でいかに行うか、各学年ごとに細かく練られ定められた授業計画があり、課題に沿って計画的に組み立てられたカリキュラムに基づくレッスンが行われます。
では、その課題や授業計画はどのようにして生まれ、何を基準にプログラムされているのでしょうか?
「難しいテクニックの土台」は、すでに習い始めの初期段階から学び始めていて、最初こそ本当に肝心です。
どんな高度な回転技や跳躍なども、それらをマスターしていく過程は重要な「基礎レッスン」にあり、バー・レッスンから巧みに組み込まれ、プログラムされています。
その組み込まれ方があまりに見事で、テクニックや芸術性を学んでいく過程のプログラムこそ、ワガノワメソッドの「最大の強み」になっています。
メソッドの凄さはまさにそこにありますが、なぜそのような教育法が出来たのか、その理由の一つはターンアウト(アン・ドゥオール)にあります。
普通の状態の時にはあまり機能させていない筋肉や特別に強くなくても構わない筋肉が、ターンアウトした状態ではどうしても必要になり、特別に強靭に鍛えなくてはならないものになります。
しかし、ターンアウトに適応できる筋肉の発育や鍛え方は「人間としての身体の完成」に関わり、年齢による成長とターンアウトで必要になる筋肉の仕上がり具合いによって、『何をすべきか』『何が出来るのか』が決められているのであり、
『やらせるべき時期とプログラム』が研究し尽された結果が厳格な教授法となったのです。
『なぜ、その順序で、なぜそのように行うのか』
『なぜ色々な決まり事があるのか』『なぜそれを守らなければいけないのか』
メソッドの目的は、バレエに生かす身体機能を分析して最大に高め、自然な動きの正体、「力の作用」を研究した上で生まれた科学的な訓練です。
ワガノワメソッドが最も重視しているのは人体の「調整機能」と「生体力学」の分析に基づく訓練法です。
どのような身体の使い方であれば「より安定し滑らかで大きな動きが実現するか」考え抜かれて生まれたものです。
それがいかに機能的で科学的にも理にかなったものであるか、最新の科学と運動学に照らし合わせても驚愕の事実しかありません。
体のメカニズムに沿った動きの解明、上体の機能と全身の筋肉の働きを最大限に活かしたバレエ・テクニックと、その訓練法の見事な構築は、それまでのバレエと訓練のあり方を一変させました。
身体の柱である脊柱を安定させると共に、優れた背筋機能は腕の動きを大きく豊かにし、その「力」を体幹に伝えてあらゆる動きの「原動力」に変えることが出来るのです。
どんなに強靭な脚があろうとも、上体がグラグラ、ヘロヘロでは何も出来ません。
体幹の強さとコントロールがあって初めて、脚も自在に動かせるのです。
上体の正しい姿勢とコアの強さはしっかりとした安定性を生み、軸を見つけ、身体を意のままに操る能力を身につけるための最も大切なものです。
身体を自由に動かすためには上体を安定させ、どのような動きでもバランスを保たなくてはなりません。
そして、「上体や腕」は身体を操る上でとても重要な役割を担っているのです。
腕や頭、上体の動きは身体の重要なコントロールと共に、叙情性豊かな表現を生み出します。
舞踊芸術にとっては欠くことの出来ない重要なものです。
身体全体を使って踊ること、それぞれの動きを調和させること、そしてすべての動きを『意識的』 に行うことが大切と教えられています。
その、『意識的』といわれることの「本当の意味」がわかったのは、人体や筋肉についての深い理解と、その働きや機能を高めるための理屈が、体だけでなく理論的にもわかった時、「なるほど!本当にすごいな!」と感動しました。
ワガノワメソッドにおける上体や腕、頭の付け方などは決して単なる装飾的なものではなく、身体の機能の科学的分析をもとに考え出された、とても理にかなったものなのです。
ターンアウトの優れた機能に、上体の機能を融合させることで、この上ない性能を持つ極みともいえる動きが生み出されました。
それらは、全て『人体の動きの必然性』から生まれたものであり、解剖学や運動力学などの科学的根拠に基づいているため、表面の形だけを真似ても『偽り』でしかありません。
決して見よう見まねでは完成しない、深い真理が存在します。
そして、それこそが 『身体の表情』 を豊かにし、決して表面的ではない、身体の奥底から溢れ出す優美で感動的な感情表現と、揺るぎない技巧、そして圧倒的な存在感をも生み出す、ワガノワメソッドの最大の特徴といえるのです。
ワガノワメソッドでバレエを学ぶことの最大のメリットは、
一つには、優れたトレーニング理論によって「確実に身体が変わること」です。
バレエの美しさは、何より、鍛え上げられ、磨き上げられた「身体」の素晴らしさ、肉体そのものの魅力です。
物凄い強さ、筋力が必要であったとしても、身体が美しくあるよう磨くためには、筋肉を鍛える方法や目的を間違えてはなりません。
ワガノワメソッドの本質は、「きれいになって当たり前」の理論が秘められた、バレエの体を美しく作るトレーニング効果がすべてに認められ、優れていることです。
それは「単なる形に見えるもの」の中に物凄い効果的なトレーニング理論が潜んでいることがわかっています。
基礎の育て方の「解剖学的な正しさ」は、筋肉そして最近ようやく解明されてきた『筋膜』(ファシア)への見事なまでのアプローチでもあります。
そして、優れた力学的理論により、無駄な力を使わず「最小限の力で最大の効果を得る」原理を身体で学んで習得していくのです。
それによって、無駄な筋肉・筋力も必要なく、効率的に身体を使ってテクニックや表現に活かすことができます。
理解して意識的に行えば「上手くなって当たり前」の理論ともいえます。
その原則を基礎の体作りから高度なテクニックに最大限に生かし、優れたダンサーを生み出している素晴らしいメソッドなのです。
■日本の教室でワガノワメソッドを活かすには?⇒ワガノワメソッドの本質とは?~日本の教室でワガノワの真価を発揮するために
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