2020.05.05

ターンアウトが必要な理由〈2〉ターンアウトを使うってどういうこと?

岸本 亜沙美

岸本 亜沙美
ターンアウトが必要な理由〈2〉ターンアウトを使うってどういうこと?

目次

●使えるターンアウトとは? 一体どのように使うの?

 

ターンアウトについて、何度も「使うもの」と書いていますが、一体どのように使うのでしょうか?

 

まず、ターンアウトをする時は左右対称に同じ力で開いています。

その左右への均等な力が働いているがゆえに、軸脚や上げた脚のターンアウトを常に保ちながらバランスを取ったり体を動かす力として使えるのです。

 

しかし、床の滑り止めの力で踏ん張ってやっとポジションが保てているような状態なら、足が床から離れた途端にターンアウトが戻ってしまい、均等の力の開きがなくなってしまいます。

 

それでは軸をターンアウトの力で止めながら、互いに働くもう一方の足の力を使って動くことは出来ません。

 

なので、付け根からではなく足先だけで作っているターンアウトは全く意味がないのです

腿から開いているからこそ「腰を動かす力」として有効に使えます。

 

なかなか思うように動けない人は重い腰を動かすターンアウトの力が使えないので、力が不足するか、違う筋肉で無理矢理やろうとして間違った体の使い方になるのです。

 

 

身体の向きを変える方向にある脚のターンアウトを使うことで回転などに役立ちます。

 

脚を外にまわす筋肉の力を上手く使えば「その外側への力」が回転の力となるので、無理矢理身体をよじったり手を大袈裟に振り回さなくてもスムーズな回転動作が生まれます。

 

それにはやはり出来る限り外に開く力が強い方が良いことになりますが、無理矢理ターンアウトを作ってみせても、保つ力のないターンアウトでは逆に足が床から離れた途端に内側に戻ってしまい、外への力どころか逆に「内側への力」を出してしまいます。

 

方向を示すバレエ用語に「アンドゥオール(外側へ)」、「アンドゥダン(内側へ)」とありますが、回転方向のアンドゥダンは軸足側にとってはアンドゥオール(外側へ)の動作になりますので、軸足のターンアウトを使うことになり、どちらにしても力は外側に使います。

 

なので、きちんと付け根から外にまわせる脚があれば、かなりの助力が得られるのです。

 

しかし、軸足のターンアウトが保てず、踵が後ろに戻っている状態で回転している人達もたくさんいて、残念ながらターンアウトが全く役に立っていません。

そういうことにならないように保つ筋力を付けるレッスンがとても大事なのです。

ポジションの時に無理矢理入れていても、足を出したり踵を上げる時に踵が後ろに逃げてしまってはどうしようもありません。

 

そうなってしまうことを「基礎がない」といいます!厳密に踵が引けないレッスンを地道に努力するしかないのです。

 

しかし、その道のりは長く、踵が逃げないタンデュがきちんと出るまでには大変な努力を要します。

 

踵が逃げない「ルルベ」も踵が高く上がるようになるのに、かなり時間がかかります。

 

 

●「どうして踵を上げるくらいのことが難しいの?」と思った方・・・

 

 

ターンアウトがきちんと出来れば出来るほど、それを保とうとすればするほど、普段使い慣れている腿やふくらはぎが普通には使えなくなり、普通に踵を上げる筋肉の使い方ではなく、バレエ特有の踵の上げ方をマスターしなくてはなりません。

 

(単に、ふくらはぎの「腓腹筋」という筋肉で踵を上げません!そんな単純なことではないので難しいのです!)

 

普段無意識にやっているような、とても簡単に思えることが全て簡単でなくなるのが本当のバレエの体の使い方です。

 

普通の足とはまた別の筋肉を使うので、その筋肉が育つまで辛抱強くレッスンするしかありません。

 

ターンアウトを保ち続ける筋肉を育てるには、簡単に見えることに真剣に向かい合う地味で地道な努力しかないのです。

 

そうやってターンアウトが自力で保てるように仕向けたら、その力を生かした動きを、きちんと段階を踏んで学んでいくのが『良いレッスン』です。

 

 

基礎に時間がかかるのは、ターンアウトに対応できる筋力や体の使い方を身につけるのに大変な労力を必要とし、そんなにすぐには習得できないものだからです。

 

そういうことがなければ、バレエの振り付け、ステップ自体は単純な構成のものが多く、すぐに出来ると勘違いしがちです。

 

しかし、本当の基礎の習得は、とてもとても地味で大変な作業です。

 

でもそれを自分のものに出来たら、自然で無駄のない最大のエネルギーが「使えて」身体への負担も減り、より美しく正確に踊ることが可能になるのです。

 

ターンアウトを「保つ」訓練と、それを「動く力」「支える力」に変えること、それがバレエレッスンの最大の目的であり、効果的な手法です。

 

もしあまり開かないターンアウトでも、きちんと付け根から開いてその力を常に保つことができ、動きに生かせるならばまだ良いでしょう。

 

しかし、前の記事〈ターンアウトがどうしても必要な理由〉に書いたように矛盾したことも出てきてしまい、力不足で出来ないこともあることでしょう。

 

それを承知の上で本当のバレエにきちんと向き合い、最大の価値ある努力の中で自分に出来るバレエをすることも大事と思います。

 

ターンアウトは足をただ開くのではない、「動きをスムーズに自然の力へと変換し」、よりダイナミックにするために、体のすべてのパーツと連係して「効率の良い動力」にするための、とても大事なパワーです。

 

だから無理矢理「うそつきポジション」を作ってもダメ、本当に正しい動きとは、そしてなぜターンアウトにこだわるのかを学んで、「使えるターンアウト」を身に付けることがバレエの何より大事なことなのです。

 

 

東京世田谷区|ワガノワメソッドの本気改善バレエ教室 アサミバレエクラスへ興味を持たれた方はまずは体験レッスンにお越し下さい。

●使えるターンアウトとは? 一体どのように使うの?

 

ターンアウトについて、何度も「使うもの」と書いていますが、一体どのように使うのでしょうか?

 

まず、ターンアウトをする時は左右対称に同じ力で開いています。

 

その左右への均等な力が働いているがゆえに、軸脚や上げた脚のターンアウトを常に保ちながらバランスを取ったり体を動かす力として使えるのです。

 

しかし、床の滑り止めの力で踏ん張ってやっとポジションが保てているような状態なら、足が床から離れた途端にターンアウトが戻ってしまい、均等の力の開きがなくなってしまいます。

 

それでは軸をターンアウトの力で止めながら、互いに働くもう一方の足の力を使って動くことは出来ません。

 

ですから、付け根からではなく足先だけで作っているターンアウトは全く意味がないのです

腿から開いているからこそ「腰を動かす力」として有効に使えます。

 

なかなか思うように動けない人は重い腰を動かすターンアウトの力が使えないので、力が不足するか、違う筋肉で無理矢理やろうとして間違った体の使い方になるのです。

 

 

身体の向きを変える方向にある脚のターンアウトを使うことで回転などに役立ちます。

 

脚を外にまわす筋肉の力を上手く使えば「その外側への力」が回転の力となるので、無理矢理身体をよじったり手を大袈裟に振り回さなくてもスムーズな回転動作が生まれます。

 

それにはやはり出来る限り外に開く力が強い方が良いことになりますが、無理矢理ターンアウトを作ってみせても、保つ力のないターンアウトでは逆に足が床から離れた途端に内側に戻ってしまい、外への力どころか逆に「内側への力」を出してしまいます。

 

方向を示すバレエ用語に「アンドゥオール(外側へ)」、「アンドゥダン(内側へ)」とありますが、

 

回転方向のアンドゥダンは軸足側にとってはアンドゥオール(外側へ)の動作になりますので、軸足のターンアウトを使うことになり、どちらにしても力は外側に使います。

 

ですので、きちんと付け根から外にまわせる脚があれば、かなりの助力が得られるのです。

 

しかし、軸足のターンアウトが保てず、踵が後ろに戻っている状態で回転している人達もたくさんいて、残念ながらターンアウトが全く役に立っていません。

そういうことにならないように保つ筋力を付けるレッスンがとても大事なのです。

ポジションの時に無理矢理入れていても、足を出したり踵を上げる時に踵が後ろに逃げてしまってはどうしようもありません。

 

そうなってしまうことを「基礎がない」といいます!厳密に踵が引けないレッスンを地道に努力するしかないのです。

 

しかし、その道のりは長く、踵が逃げないタンデュがきちんと出るまでには大変な努力を要します。

 

踵が逃げない「ルルベ」も踵が高く上がるようになるのに、かなり時間がかかります。

 

 

●「どうして踵を上げるくらいのことが難しいの?」と思った方・・・

 

 

ターンアウトがきちんと出来れば出来るほど、それを保とうとすればするほど、普段使い慣れている腿やふくらはぎが普通には使えなくなり、普通に踵を上げる筋肉の使い方ではなく、バレエ特有の踵の上げ方をマスターしなくてはなりません。

 

(単に、ふくらはぎの「腓腹筋」という筋肉で踵を上げません!そんな単純なことではないので難しいのです!)

 

普段無意識にやっているような、とても簡単に思えることが全て簡単でなくなるのが本当のバレエの体の使い方です。

 

普通の足とはまた別の筋肉を使うので、その筋肉が育つまで辛抱強くレッスンするしかありません。

 

ターンアウトを保ち続ける筋肉を育てるには、簡単に見えることに真剣に向かい合う地味で地道な努力しかないのです。

 

そうやってターンアウトが自力で保てるように仕向けたら、その力を生かした動きを、きちんと段階を踏んで学んでいくのが『良いレッスン』です。

 

 

基礎に時間がかかるのは、ターンアウトに対応できる筋力や体の使い方を身につけるのに大変な労力を必要とし、そんなにすぐには習得できないものだからです。

 

そういうことがなければ、バレエの振り付け、ステップ自体は単純な構成のものが多く、すぐに出来ると勘違いしがちです。

 

しかし、本当の基礎の習得は、とてもとても地味で大変な作業です。

 

でもそれを自分のものに出来たら、自然で無駄のない最大のエネルギーが「使えて」身体への負担も減り、より美しく正確に踊ることが可能になるのです。

 

ターンアウトを「保つ」訓練と、それを「動く力」「支える力」に変えること、それがバレエレッスンの最大の目的であり、効果的な手法です。

 

もしあまり開かないターンアウトでも、きちんと付け根から開いてその力を常に保つことができ、動きに生かせるならばまだ良いでしょう。

 

しかし、前の記事〈ターンアウトがどうしても必要な理由〉に書いたように矛盾したことも出てきてしまい、力不足で出来ないこともあることでしょう。

 

それを承知の上で本当のバレエにきちんと向き合い、最大の価値ある努力の中で自分に出来るバレエをすることも大事と思います。

 

ターンアウトは足をただ開くのではない、「動きをスムーズに自然の力へと変換し」、よりダイナミックにするために、体のすべてのパーツと連係して「効率の良い動力」にするための、とても大事なパワーです。

 

だから無理矢理「うそつきポジション」を作ってもダメ、本当に正しい動きとは、そしてなぜターンアウトにこだわるのかを学んで、

 

「使えるターンアウト」を身に付けることがバレエの何より大事なことなのです。

 

 

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