2024.02.16

器用に踊れることの落とし穴~間違った体の使い方とは?

岸本 亜沙美

岸本 亜沙美
器用に踊れることの落とし穴~間違った体の使い方とは?

目次

バレエは早期に難しいことを習得するレッスンをしてしまうと、確実に「間違った体の使い方」を身に付けてしまいます。

 

バレエの「間違った体の使い方」は、上手く踊れない人だけでなく、一見とても上手く踊れている人にも多く見られるのです。

 

特に低年齢で回転や脚上げなどテクニックに優れている場合、間違った使い方だから出来てしまっている可能性が高いです。

 

運動能力が高く器用なタイプは、自分の都合の良いやり方をすぐに身につけ、それらしく見せてしまうことが得意だからです。

 

しかし、器用に踊れてしまうことが、なぜそんなに良くないことなのでしょうか・・・?

 

■そもそも「間違った体の使い方」とはー?

 

体の機能的に本当に使うべき筋肉が使えず、代わりの筋肉が働いてしまっている状態で、『代償動作』といいます。

 

バレエの筋肉の使い方は、日常動作や他の運動・スポーツとは全く違い、バレエ独自の厳密な基礎レッスンで育てる以外ないのですが、その筋肉が充分育っていない、生まれつき弱い、上手く使えない、使い方をきちんと習っていない、などで、本当に使うべき筋肉が使えない状態にあると、すぐに代わりの筋肉が働いてしまいます。

 

それを「間違った体の使い方」というのです。

 

本来使うべきではない筋肉による代わりの動作は、器用な人であればあるほどすぐに身に付け、一見とても正しいように見せることもできてしまいます。

 

一方であまり器用でない人は、いかにも不器用なぎごちない動きになってしまうので、間違った動きであることがすぐにわかります。

 

バレエの動作は、本当に正しいことを教わらず運動能力の高い人がやると「できない」ということはなく、本当は間違っているのに正しいように見える動きにしてしまうことが可能です。

 

それはある意味とても不幸なことであり、間違った動きを長年積み重ねることによって体が蝕まれてしまうことがあるのです。

 

どんなに天才的に見えても、低年齢で踊りが完成してしまうことは、将来の可能性を潰してしまいかねません。

 

なぜなら、成長途中の体では解剖学的に不可能なことがあり、どうしても代わりの筋肉の使い方をせざるを得ない、つまり代償動作は避けられないからです。

 

 

■間違った体の使い方をしているとー

 

通常『代償動作』は、弱い所、使えない所を庇うための動作です。

 

バレエの間違った体の使い方も、使いやすい筋肉しか使わず、本当の強さを育てていないので、ケガをしやすい体になってしまいます。

 

バレエの特殊な動きに対応できる「関節の使い方」が正しくなく、股関節や膝、足首など負担が大きくなったり、体の奥深くにある、中から体を支える筋肉の不足で「真の強さ」が育っていないことが原因です。

 

 

■『体の変化』に対応できないこともー

 

子供の場合、小さいうちはできてしまっていても、体の成長と共に、段々思うようにいかなくなることが起こります。

 

身長の伸び、体格やホルモンバランスの変化などで、それまで無意識に操れていた体が急にいうことをきかなくなってしまい、スランプに陥ってしまうことがあります。

 

また、ケガなどのアクシデントで、それまでの踊り方ができなくなってしまった時にも、正しい知識や感覚なく、やりやすい能力だけに任せてきてしまったので、修正が難しく、立ち直ることがとても困難になってしまうこともあるのです。

 

 

■間違った運動パターンは体の状態を悪くするー

 

「間違った運動パターン」を繰り返していると体の機能が狂ってきてしまうと言われています。

 

体の状態が悪くなり、ケガや故障、痛みや硬さなど、あらゆる不調の原因にもなってしまいます。

 

強さを養わないといけない所を避けて踊ってしまうので、使えていない所にどうしても弱さが残ってしまい、アンバランスな体になりがちです。

 

太く硬く発達する筋肉を主に使ってしまうことで、筋肉が付きやすいタイプの人は体型の面でも悪くなってしまいます。

 

そして何より、プロフェッショナルを目指すなど将来を真剣に考えた時、間違った基礎や体の使い方に悩むことになったり、ケガや故障のリスクを抱え、実際にケガで断念せざるを得なくなったり、一旦歯車が狂ってしまうと取り返しのつかないことにもなりかねません。

 

バレエの正しい体の使い方を身に付けるには、早くから難しいことをするよりも、本当に厳密な基礎レッスンを長年積み重ね、体中の筋肉、関節の使い方を細かく学び、段階的なレッスンでしっかりと育てる以外にありません。

 

●体の使い方については、上手くいかない人だけでなく、『自信を持って踊れている!』という人達にも絶対に見直してほしいと強く願っています。

■バレエは、早期に難しいことを習得するレッスンをしてしまうと、確実に「間違った体の使い方」を身に付けてしまいます。

 

バレエの「間違った体の使い方」は、上手く踊れない人だけでなく、一見とても上手く踊れている人にも多く見られるのです。

 

特に低年齢で回転や脚上げなどテクニックに優れている場合、間違った使い方だから出来てしまっている可能性が高いです。

 

運動能力が高く器用なタイプは、自分の都合の良いやり方をすぐに身につけ、それらしく見せてしまうことが得意だからです。

 

しかし、器用に踊れてしまうことが、なぜそんなに良くないことなのでしょうか・・・?

 

 

■そもそも「間違った体の使い方」とはー?

 

体の機能的に本当に使うべき筋肉が使えず、代わりの筋肉が働いてしまっている状態で、『代償動作』といいます。

 

バレエの筋肉の使い方は、日常動作や他の運動・スポーツとは全く違い、バレエ独自の厳密な基礎レッスンで育てる以外ないのですが、その筋肉が充分育っていない、生まれつき弱い、上手く使えない、使い方をきちんと習っていない、などで、本当に使うべき筋肉が使えない状態にあると、すぐに代わりの筋肉が働いてしまいます。

 

それを「間違った体の使い方」というのです。

 

本来使うべきではない筋肉による代わりの動作は、器用な人であればあるほどすぐに身に付け、一見とても正しいように見せることもできてしまいます

 

一方であまり器用でない人は、いかにも不器用なぎごちない動きになってしまうので、間違った動きであることがすぐにわかります

 

バレエの動作は、本当に正しいことを教わらず運動能力の高い人がやると「できない」ということはなく、本当は間違っているのに正しいように見える動きにしてしまうことが可能です。

 

それはある意味とても不幸なことであり、間違った動きを長年積み重ねることによって体が蝕まれてしまうことがあるのです。

 

どんなに天才的に見えても、低年齢で踊りが完成してしまうことは、将来の可能性を潰してしまいかねません。

 

なぜなら、成長途中の体では解剖学的に不可能なことがあり、どうしても代わりの筋肉の使い方をせざるを得ない、つまり代償動作は避けられないからです。

 

 

■間違った体の使い方をしているとー

 

通常『代償動作』は、弱い所、使えない所を庇うための動作です。

 

バレエの間違った体の使い方も、使いやすい筋肉しか使わず、本当の強さを育てていないので、ケガをしやすい体になってしまいます。

 

バレエの特殊な動きに対応できる「関節の使い方」が正しくなく、股関節や膝、足首など負担が大きくなったり、体の奥深くにある、中から体を支える筋肉の不足で「真の強さ」が育っていないことが原因です。

 

 

■『体の変化』に対応できないこともー

 

子供の場合、小さいうちはできてしまっていても、体の成長と共に、段々思うようにいかなくなることが起こります。

 

身長の伸び、体格やホルモンバランスの変化などで、それまで無意識に操れていた体が急にいうことをきかなくなってしまい、スランプに陥ってしまうことがあります。

 

また、ケガなどのアクシデントで、それまでの踊り方ができなくなってしまった時にも、正しい知識や感覚なく、やりやすい能力だけに任せてきてしまったので、修正が難しく、立ち直ることがとても困難になってしまうこともあるのです。

 

 

■間違った運動パターンは体の状態を悪くするー

 

「間違った運動パターン」を繰り返していると体の機能が狂ってきてしまうと言われています。

 

体の状態が悪くなり、ケガや故障、痛みや硬さなど、あらゆる不調の原因にもなってしまいます。

 

強さを養わないといけない所を避けて踊ってしまうので、使えていない所にどうしても弱さが残ってしまい、アンバランスな体になりがちです。

 

太く硬く発達する筋肉を主に使ってしまうことで、筋肉が付きやすいタイプの人は体型の面でも悪くなってしまいます。

 

そして何より、プロフェッショナルを目指すなど将来を真剣に考えた時、間違った基礎や体の使い方に悩むことになったり、ケガや故障のリスクを抱え、実際にケガで断念せざるを得なくなったり、一旦歯車が狂ってしまうと取り返しのつかないことにもなりかねません。

 

バレエの正しい体の使い方を身に付けるには、早くから難しいことをするよりも、本当に厳密な基礎レッスンを長年積み重ね、体中の筋肉、関節の使い方を細かく学び、段階的なレッスンでしっかりと育てる以外にありません。

 

●体の使い方については、上手くいかない人だけでなく、『自信を持って踊れている!』という人達にも絶対に見直してほしいと強く願っています。